「ねえ、八戒。」



休日の朝、朝食の後リビングで寛いでいた八戒のもとに恋人のが擦り寄ってきた。

見ていたニュース番組を消し、に向き直る。



「ねえ。ギュウして。」



「どうしたんですか?」



いつもは、恥ずかしくて自分からそのような事は言ってこないが言ってくるなんて。

少し驚きながらも、恋人の顔を覗き込んだ。



「いいから。して?」



可愛く首を傾げながらも、両手を僕の方へ差し出す



「困りましたね。」



「困るの?したくないんだ。じゃあ、いい。悟浄にしてもらう。」



差し出していた腕を引っ込め、プイッとそっぽを向いてしまう



「待ってください、。違うんです。」



「何が違うのよ?」



再び僕の方を向いたの表情は、まだ少し拗ねているようで・・・。



「・・・抱きしめてしまったら、それだけじゃ済みそうも無いって事ですよ。」



「いいよ。八戒を感じていたいから。」



そして、またいつもなら言わないような事を言う

これは何かあったとしか思えませんね。

昨日の夜の事を思い返しても、何も思い当たる節は無い。

だとしたら・・・。



「どうしたんです。夢見でも悪かったんですか?」



「うん。カッコイイ八戒が、何故私と付き合ってるんだろうって。他にも美人な人なら沢山いるのに。」



「クスッ。そんな事ですか。」



「八戒にとったらそんな事かもしれないけど、私には深刻な問題なんです!」



膨れながら抗議するを自分の胸に抱き寄せ、耳元に口を近づける。



「よく聞いて下さい。僕は、どんなに美人でモデル並みの女性より、、貴女が好きなんですよ。」



抱きしめているので、の表情までは伺えないが、きっと顔を真っ赤に染めているだろう。

自分に抱きついてくるの腕の力が強まっているのが、その証拠。



「・・・八戒。」



「愛していますよ。」



しっかりと抱きしめ、甘い囁きと口付けを落とす。

知っていますか?

僕がどれだけ貴女の事を愛しているか。

この手を離す事は、決してありませんよ。

いつまでも、永久に。




















そして、言葉通り抱きしめるだけでは済まなかった。

ベットの中、甘い余韻に浸りながらも、気になった事を問いかけた。



「ところで、どうして悟浄なんですか?」



「さっきの事?」



「ええ。」



「だって、三蔵はしてくれなさそうだから。」



「それもそうですが、冗談でも悟浄に言わないで下さいね。」



「うん。」





もう、言わないよ。

不安だった心は、今はもう無い。

貴方がどれだけ愛してくれているか、解ったから。







ねえ・・・・・・、八戒。

大好きよ。