もう
何もかもが 嫌になる。
もう
どうしていいか 分からない。
もう
こんな自分が 大嫌いだ。
――― desperation ―――
テーブルの上に無造作に乗っかっている本や、リモコン。
棚に綺麗に片付けてある本。
CDや、DVD。
クローゼットの中の洋服や、鞄。
化粧品の入ったポーチ。
何もかも、捨ててしまいたくなる衝動。
何もかも、いらない。
真っ白にしたい。
こんな自分も、いらない。
全てを部屋中に放り出した。
綺麗だった部屋が、見るも無残な部屋に形を変えていく。
散乱するモノ。
溢れる感情。
止まる事なんて、知らない。
どうにかなってしまいそう。
もう、嫌。
何が?
分からない。
もう、嫌。
何が?
それこそ、全てが。
もう、嫌。
何が?
全部、綺麗に消えてよ。
そう、この感情が。
苛立ちは、収まる事を知らない。
自分が、自分じゃない。
ああ、それだ。
自分じゃなくなったら、この苛立ちも収まるかもしれない。
真っ白な自分になれば。
ねえ、助けて。
誰に?
何を求める。
ねえ、助けて。
こんな時、呼びたいのはただ一人。
この苛立ちを沈めて、私を―――――
私に戻して。
お願い、焔。
助けて。
モノに八つ当たりをするのはよくない。
分かってる。
でも、止まらない。
部屋の真ん中に座り込んで、手に当たるものを片っ端から投げつけていく。
いつの間にか、頬に冷たい雫が流れていた。
涙を流しながら、その場に蹲った。
止まらない涙。
声を上げて泣いた。
何かを振り切るように。
声を上げて。
何かを洗い流すように。
虫の知らせとまでは行かないが、ただ。
そう、なんとなく気になったのは恋人のの事。
いつもは普通なのだが、偶に何かの拍子に自暴自棄になる。
それが分かったのは、つい最近の事だった。
腕時計で時刻を確認する。
もう夜中の11時だ。
寝ているだろうか。
そう思いながらも、焔はケータイを鳴らした。
が、聞こえてきたのは機械質な音声案内。
「・・・まさか。」
不安が一気に心を突っ切った。
急いで車をの住むマンションへと走らせた。
駐車するのもそこそこに、急いでの部屋まで駆け上がった。
「。入るぞ。」
乱れる息のまま、鍵を開け中に居るはずのに呼びかけた。
返事の代わりに聞こえてきたのは、泣き声。
そして、叫び声。
慌てて中に入り、キッチンから続くドアを開けた。
「、どうした。」
一歩、部屋の中に足を踏み入れたはいいが、その後踏み出せるスペースが無い。
いつもの綺麗な空間は姿を消し、モノが溢れかえる部屋に絶句した。
その中央に蹲り泣いている。
足に触れるものを掻き分けて、の元に進んで行きその身体を強く抱きしめた。
「。落ち着け。」
「ほっ・・・・・・ほむ・・・ら・・・・。や・・・・・。」
「今は、何も言わなくていい。」
「も、自分が・・・・・・嫌だ。・・・・ねえ、キライでしょ。」
「そんな事はない。」
「ウソ・・・・ウソだ。」
しゃくり上げながら泣くの背中をゆっくりと擦ってやる。
それに安心したのか、焔の胸を叩いていた腕が背中に回された。
必死になってしがみついてくるは、悪い事をして怒られて泣いたときの子供が母にしがみつくのに似ていた。
「今は泣け。思い切り泣いたらいい。」
いつも、いつも
笑顔だけじゃ いられない
悲しい事 辛い事
色々な事が 積み重なっていくのが
人生
怒ってもいい いやな自分もあるさ
決して いい人だけじゃ 生きてなんかいけない
落ち込んでもいい
悩みぬいてもいい
思い切り泣いて
何もかも 流しきって
泣くだけ泣いたら
そう。
泣くだけ泣いたら その後
笑顔を見せて。
俺の大好きな お前の笑顔を
いつまでそうしていただろう。
ようやく落ち着いたが顔を上げた。
「ほむら。どして・・・。」
「気になった。お前が、呼んでいるような気がした。」
「もう、キライ。こんな自分が・・・、どうしようもなく嫌い。」
「俺は好きだ。」
「・・・・・・。」
「何もかも上手く出来る奴などいない。躓く事もあるさ。自分を認めてやれ。お前は充分頑張っているだろう。」
涙で濡れた顔を、両手で包み込み、まだ少し涙の残る蒼の瞳を見つめた。
「・・・、認めたら・・・。」
「それも自分だ。俺は、どんなでも好きだ。」
「焔。」
「それにしても、・・・・・・ひどい顔だな。」
悪戯に笑みを向ければ、顔を紅くして抗議してくる。
そんなお前が、たまらなく愛おしい。
俺の手から逃れようとするのを止め、触れるだけの口付けを落とした。
自然と、それは深いものに変わっていった。
何もかも 全て
お前の 全てを
包み込んでやる
俺の心で
だから 自分を嫌いになんてなるな
何もかも 全て
お前の 全てを
包み込んでやる
俺の身体で 受け止めてやるさ
愛している。
すいません。(平謝り)
もう、なんと言うか。。。(汗)
訳の分からない夢になってしまいました。
蒼稜が、ちょっと自暴自棄、癇癪起こしまくりで・・・、まったくもって手が付けられない状況でして。
その産物が、コレで御座います。
御付き合い下さいまして、有難う御座いました。
作品中、森川智之さんと檜山修之さんの”おまえら”の
「涙からはじめよう」を一部参考にさせて頂きました。